株式会社カラー

最新情報

2015.05.07

庵野秀明インタビュー掲載 『芸大美大をめざす人へ No.156』 発売中

雑誌『芸大美大をめざす人へ No.156』が発売中です。
受験生だけでなく、美術を学びたいすべての人のリクエストに応える美術技法書の決定版。
総力特集「未来への伝言」では、庵野秀明のインタビューとともに、受験生の方へのメッセージの色紙等も掲載して頂きました。
是非、ご一読下さい。

『芸大美大をめざす人へ No.156』の詳細はこちら


2015.04.24

4月25日(土)13:30〜 『アニメの「情報量」とは何か』 ニコニコ超会議2015 超言論エリアにて、庵野秀明・川上量生が生対談

4月25日(土)13:30より、幕張メッセ国際展示場にて開催される「ニコニコ超会議2015」の「超言論エリア」にて、『アニメの「情報量」とは何か』と題し、庵野秀明と川上量生が生対談します。
アニメ・特撮研究家の氷川竜介さんを司会に迎え、アニメ業界で最初に「情報量」という言葉を使い始めたという庵野と、スタジオジブリでの経験からコンテンツとクリエイターとはなにかという考察をまとめた書籍「コンテンツの秘密」を上梓したばかりの川上が語ります。
また、当日の会場の様子はニコニコ生放送でも生中継される予定です。
是非、ご覧下さい。

「ニコニコ超会議2015」公式サイトはこちら
「ニコニコ超会議2015」公式サイト「超言論エリア」ページはこちら
ニコニコ生放送「超言論エリア アイドル討論からディベートバトルまで@ニコニコ超会議2015[DAY1]」ご視聴ページはこちら


2015.04.14

「日本特撮に関する調査報告 <平成26年度>」 公開中

「日本特撮に関する調査報告 <平成26年度>」が公開中です。
こちらは、特撮の変遷や創意工夫について調査・記録し、持続的に未来に継承することを目的に平成24年度・平成25年度・平成26年度と3年間にわたり行ってきたものです。今年度も調査・執筆者の皆さんをはじめ関係者の熱意ある作業による、充実した内容となっています。
庵野秀明は監修として関わり、公開にあたってメッセージも寄せさせて頂きました。是非、ご一読下さい。

メディア芸術カレントコンテンツ 「日本特撮に関する調査報告 <平成26年度>」公開ページはこちら


2015.04.11

『館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技』 熊本展 開催中

熊本市現代美術館にて、『館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技』が開催中です。
全国巡回の最後となる熊本展は、6月28日(日)までの開催です。
是非、足をお運び下さい。

『館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技』 熊本展

開催会場:熊本市現代美術館
開催期間:2015年4月11日(土)〜6月28日(日)
火曜日休館(5月5日は開館/5月7日(木)休館)
開催時間:10:00〜20:00(展覧会入場は19:30まで)

『館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技』 熊本展 公式サイトはこちら


2015.04.01

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』及びゴジラ新作映画に関する庵野秀明のコメント

我々は、何をまた作ろうとしているのか。
そして何故、空想特撮映画を作る事を決めたのか。


2012年12月。エヴァ:Qの公開後、僕は壊れました。
所謂、鬱状態となりました。
6年間、自分の魂を削って再びエヴァを作っていた事への、当然の報いでした。

明けた2013年。その一年間は精神的な負の波が何度も揺れ戻してくる年でした。自分が代表を務め、自分が作品を背負っているスタジオにただの1度も近づく事が出来ませんでした。
他者や世間との関係性がおかしくなり、まるで回復しない疲労困憊も手伝って、ズブズブと精神的な不安定感に取り込まれていきました。

その間、様々な方々に迷惑をかけました。
が、妻や友人らの御蔭で、この世に留まる事が出来、宮崎駿氏に頼まれた声の仕事がアニメ制作へのしがみつき行為として機能した事や、友人らが僕のアニメファンの源になっていた作品の新作をその時期に作っていてくれた御蔭で、アニメーションから心が離れずにすみました。友人が続けている戦隊シリーズも、特撮ファンとしての心の支えになっていました。

同年11月。鷺巣詩郎氏のPV制作をヒントにアニメの短編集企画を思い付いたのも、なんとかアニメの面白さを今一度、体感し、アニメが好きだった事を今一度、確認し、アニメの現場に戻る拠り所を今一度、切望したかったからです。それと、エヴァの制作で疲弊していたスタッフやスタジオにも、エヴァ以外の新企画が必要と感じたからでした。この試みは、日本アニメ(ーター)見本市として現在も継続し、やって良かったと実感しています。

2014年初頭。ようやくスタジオに戻る事が出来ました。それから、1年以上かけた心のリハビリにより徐々にアニメの仕事に戻っています。同年10月に行われた東京国際映画祭の特集企画で、高校時代から自分の作ってきた作品を、素直に振り返れた事も幸いしました。

そして、2015年。旧エヴァの放送から20年後の今、すでに2年以上もお待たせしている、シン・エヴァンゲリオン劇場版の完成への実現に向けた作業も、なんとか進められています。
僕の周囲の方々、そしてアニメファンの皆様が、再び完結に向かうというモチベーションを支えてくれているからです。本当に、感謝します。
そして、皆様から、シン・エヴァの公開まで今しばらくの時間をいただければ、幸いです。

と、同時に今は、空想特撮映画を形にする作業も行っています。
始まりは、2013年1月末でした。

東宝の方から直接「ゴジラの新作映画の監督をお願いしたい」と、依頼を受けました。
精神的にも不安定でしたし、「無理です。エヴァもあるし、出来ませんよ」と、その場は固辞しました。
が、東宝の誠意と盟友樋口真嗣監督の熱意に心が動かされ、
同年3月、監督を引き受ける事にしました。

過去の継続等だけでなく空想科学映像再生の祈り、特撮博物館に込めた願い、思想を具現化してこそ先達の制作者や過去作品への恩返しであり、その意思と責任の完結である、という想いに至り、引き受ける事にしました。
今しか出来ない、今だから出来る、新たな、一度きりの挑戦と思い、引き受ける事にしました。
エヴァではない、新たな作品を自分に取り入れないと先に続かない状態を実感し、引き受ける事にしました。

同年5月、作品として描きたい、描くべき主題を決めました。
そして同年6月、G作品メモという企画書を東宝に提出、プロット等の作成を開始。

ゴジラが存在する空想科学の世界は、夢や願望だけでなく現実のカリカチュア、風刺や鏡像でもあります。現在の日本でそれを描くという無謀な試みでもあります。
正直、世界資本に比べると制作費も制作時間も極端に少ない日本の現場で、様々な内容面に関する制約の中で、果たしてどこまで描けるのかはわかりません。

ただ、映画としてのプライドを持ち、少しでも面白い映像作品となる様に、本作もシン・エヴァも全力で作っていく事が、今の僕に出来る事だと思って作業を進め、映画の方向性や脚本内容等で紆余曲折あり、現在に至っています。

制作者が何を書いても言い訳にしか過ぎず、善意と悪意の前に晒される事態を重々承知の上で、こんな時代のこの国で日本を代表する空想特撮作品を背負って作る、という事を少しでも理解していただけたらという願いから、拙文を寄せています。

最後に、自分を支えてくれる周囲の人々と、作品を支えてくれているファン・観客の皆様の御蔭で再び、映像が作れる、という事に改めて感謝します。

ありがとうございます。

監督・プロデューサー 庵野秀明


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